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第3回造船配管雑学講座

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皆さんこんにちは!
有限会社古庄工業、更新担当の中西です。

 

さて今回は

~耐久性~

ということで、船舶配管の耐久性に影響を与える要因と、それを向上させるための方法について詳しく解説する♪

 

船舶の配管は、燃料供給、冷却水循環、排水、油圧制御、空調など、多くの重要な機能を担う。特に海洋環境においては、塩分や湿気、温度変化、振動、圧力といった厳しい条件にさらされるため、耐久性を確保することが極めて重要である。配管の劣化や破損が発生すると、船舶の運航に深刻な影響を及ぼし、最悪の場合は事故につながる可能性もある。そのため、適切な素材選定、設計、施工、メンテナンスが求められる。

船舶配管の耐久性に影響を与える要因

1. 環境要因による影響

船舶の配管は、陸上施設の配管と比べて過酷な環境にさらされることが多い。そのため、以下のような外的要因が耐久性に大きく影響する。

  • 海水による腐食
    船舶では、冷却水や排水システムなどで海水を使用することが多い。海水には塩分が多く含まれており、鉄や銅などの金属を腐食させる原因となる。特に流速の速い環境では、金属表面の保護膜が破壊されやすく、腐食が加速する。

  • 湿気と結露
    船内は湿度が高く、温度差による結露が発生しやすい。この結露が配管の外面に付着すると、錆の発生を促し、長期間放置すると肉厚の低下につながる。

  • 高温・高圧環境
    蒸気配管やエンジン冷却系統などでは、高温・高圧の流体を扱うことが多い。これにより、配管の材質が経年劣化し、疲労による亀裂や変形が生じる可能性がある。

  • 振動と衝撃
    船舶は航行中に波の影響を受け、エンジンやポンプの動作によって振動が発生する。固定が不十分な配管は、この振動によって継手部分が緩んだり、応力集中による亀裂が生じたりすることがある。

配管の耐久性を高めるための対策

1. 適切な配管素材の選定

船舶配管の耐久性を確保するためには、使用環境に適した材料を選ぶことが重要である。

  • 銅合金(銅ニッケル合金)
    耐海水性に優れ、冷却水配管や排水配管に広く使用される。海水による腐食に強く、比較的メンテナンスが容易。

  • ステンレス鋼(SUS316Lなど)
    耐食性が高く、飲料水配管や燃料ラインに適している。海水には適さないが、淡水系統では優れた耐久性を発揮する。

  • 炭素鋼(スチール配管)
    機械的強度が高く、油圧配管や高圧蒸気配管に使用される。ただし、腐食しやすいため、適切な防食処理が必要。

  • チタン合金
    軽量で耐久性が高く、耐海水性に優れている。海水系の配管に最適だが、コストが高いため特定の用途に限られる。

  • 樹脂系配管(FRP・PVC)
    軽量で腐食しないため、一部の排水系統や化学薬品配管に使用される。ただし、強度が低いため、高圧には適さない。

2. 防食対策の強化

配管の腐食を防ぐためには、適切な防食処理が必要である。

  • カソード防食
    亜鉛やアルミニウムの犠牲陽極を取り付け、配管の腐食を防ぐ方法。特に海水冷却系統で有効。

  • 防食塗装・ライニング処理
    配管の内外面にエポキシ樹脂やゴムライニングを施し、直接的な腐食を防ぐ。特に海水を扱う配管では有効。

  • 防食薬剤の使用
    冷却水や燃料系統に腐食抑制剤を添加することで、金属表面を保護する。特にボイラーや蒸気配管では、適切な薬剤管理が不可欠。

3. 配管設計の最適化

耐久性を確保するためには、配管の配置や支持方法を適切に設計することが重要である。

  • 振動吸収設計
    フレキシブルジョイントや防振支持具を使用し、振動による応力集中を防ぐ。エンジン周りやポンプ周辺では特に有効。

  • 適切な支持間隔の確保
    配管がたわまないように、適切な間隔で支持クランプを設置する。これにより、荷重が均等に分散され、局所的な負荷を軽減できる。

  • 流体抵抗の最適化
    配管の曲がり部分を適切に設計し、流速が急激に変化しないようにすることで、摩耗やキャビテーションを防ぐ。

4. 定期的な点検とメンテナンス

耐久性を維持するためには、定期的な検査と適切なメンテナンスが不可欠である。

  • 厚さ測定(肉厚検査)
    超音波厚さ計を用いて、配管の肉厚の減少を定期的に測定する。腐食が進行している場合は、早めに交換を検討する。

  • 漏れ検査
    圧力試験やガス検知器を用いて、配管の漏れをチェックする。特に燃料系統や油圧系統では、安全対策として重要。

  • バルブ・継手の点検
    定期的にバルブやフランジの緩みを確認し、必要に応じて締め直す。パッキンやガスケットも劣化の兆候がないか確認する。

  • 洗浄・フラッシング
    冷却水系統や燃料ラインは、定期的に洗浄を行い、スケールや汚れの蓄積を防ぐ。これにより、流速の低下や詰まりを防止できる。

まとめ

船舶配管の耐久性を確保するためには、適切な素材の選定、防食対策、設計の最適化、定期的な点検・メンテナンスが欠かせない。長期にわたり安全に運用するためには、これらの対策を徹底し、計画的な管理を行うことが求められる。

 

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